愛育病院 小児科おかもん先生 だより Vol.229
「おねしょが治りません」、夜尿症
こんにちは。愛育病院小児科のおかもん先生です。
「夜中のおねしょがどうしても治らないんです」、外来でよくいただくご相談です。夜尿症は5歳以上で月1回以上のおねしょが3か月以上続く状態のこと。5歳で約15%、10歳で約5%。年に10〜15%は治療しなくても治っていきますが、本人が困っている時こそ受診のタイミングです [2]。
Q1.「夜尿症とは?」
——5歳を過ぎてもおねしょが続いています
5歳以上で月1回以上のおねしょが3か月以上続く場合を夜尿症と言います [1]。
| 基本情報 | 詳細 |
|---|---|
| 定義 | 5歳以上で月1回以上の夜間尿失禁 |
| 頻度 | 5歳:約15%、7歳:約10%、10歳:約5% |
| 自然治癒率 | 毎年約10〜15%が自然に改善 [2] |
| 男女比 | 男児に多い(2:1) |
| 遺伝 | 両親に夜尿症の既往があるとリスク高い |
| 夜尿症の分類 |
|---|
| 一次性:一度も夜間排尿が自立したことがない(多数) |
| 二次性:6か月以上おねしょがなかった後に再発 |
| 単一症状性:夜間のみ(昼間は問題なし) |
| 非単一症状性:昼間の症状もある |
ポイント
- 5歳以上で月1回以上、3か月以上で診断 [1]
- 毎年10〜15%が自然に治る [2]
- 男児にやや多い(およそ2:1)
Q2.「原因は何ですか?」
——しつけの問題ですか?
夜尿症はしつけの問題ではありません。身体的な要因が主な原因です [2]。
| 原因 | 詳細 |
|---|---|
| 抗利尿ホルモンの分泌不足 | 夜間の尿量が多い |
| 膀胱容量が小さい | 尿を溜められない |
| 覚醒障害 | 尿意で目が覚めない |
| 遺伝 | 両親に既往があると75%の確率 |
「叱ることは逆効果です。おねしょは子どもの意思ではコントロールできません。」
ポイント
- しつけの問題ではない
- 叱ることは逆効果
- 身体的要因が主な原因
Q3.「家庭でできることは?」
——生活習慣で改善できますか?
まず生活指導から始めます [3]。
| 生活指導 | 内容 |
|---|---|
| 水分制限 | 夕食以降の水分を控えめに |
| 夕食の時間 | 就寝2-3時間前に済ませる |
| 塩分制限 | 夕食の塩分を控えめに |
| 就寝前の排尿 | 寝る前にトイレに行く |
| 規則正しい生活 | 早寝早起き |
| ほめる | おねしょがなかった日をほめる |
| やってはいけないこと |
|---|
| 叱る、罰を与える |
| 夜中に無理に起こしてトイレに連れて行く |
| おむつをつける(本人が嫌がる場合) |
ポイント
- 夕方以降の水分を控える
- 叱らない、ほめる
- 夜中に起こすのは逆効果
Q4.「薬や治療はありますか?」
——生活指導で改善しない場合は?
アラーム療法と薬物療法があります [4]。
| 治療法 | 特徴 |
|---|---|
| アラーム療法 | 尿を感知して音が鳴る。有効率およそ2/3(60〜80%)[2][4] |
| デスモプレシン | 抗利尿ホルモンの薬。夜間尿量を減らす |
| 併用療法 | アラーム+デスモプレシン |
| アラーム療法の実際 |
|---|
| 下着にセンサーをつけて就寝 |
| 尿で濡れるとアラームが鳴る |
| 目を覚ましてトイレに行く訓練 |
| 効果が出るまで2-3か月 |
「アラーム療法は再発率が低いのが特徴です。根気よく続けることが大切です。」
ポイント
- アラーム療法が最も効果的
- デスモプレシンは即効性がある
- 治療には2-3か月かかる
Q5.「受診のタイミングは?」
——いつ受診すべきですか?
以下の場合は受診をお勧めします [5]。
| 受診の目安 | 詳細 |
|---|---|
| 6-7歳以降 | 生活指導で改善しない場合 |
| 本人が困っている | お泊りに行けない等 |
| 二次性夜尿症 | 一度治った後の再発 |
| 昼間の症状 | 頻尿、尿失禁がある |
| その他の症状 | 多飲多尿、便秘 |
「宿泊行事の前など、本人のモチベーションが高い時が治療開始の良いタイミングです。」
ポイント
- 6-7歳以降で改善しなければ受診
- 本人が困っている時が治療開始の好機
- 二次性夜尿症は早めに受診
今号のまとめ
- 夜尿症は5歳以上で月1回以上のおねしょが3か月以上 [1]
- しつけの問題ではない。叱ることは逆効果
- 生活指導(夕方以降の水分・塩分、就寝前排尿、ほめる)が基本 [3]
- アラーム療法とデスモプレシンが治療の二本柱 [2][4]
- 毎年10〜15%が自然治癒。本人が困った時が受診の好機
あわせて読みたい
- Vol.230「尿路感染症」
- Vol.271「トイレトレーニング」
- Vol.265「子どもの便秘」
ご質問・ご感想
「おねしょが治りません」「アラーム療法について知りたい」など、ご経験やご質問がございましたら、お気軽にお寄せください。
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