愛育病院 小児科おかもん先生 だより Vol.263
「虫歯が心配です」、子どもの歯の健康
こんにちは。愛育病院小児科のおかもん先生です。
乳歯のむし歯は永久歯にも影響します。毎日の歯磨きと定期的な歯科受診が、健康な歯を守る土台です。今回は子どもの歯のケアをまとめます。
Q1.「歯磨きはいつから始める?」
——歯磨きはいつから始めればいいですか?
最初の歯が生えたら歯磨きを始めましょう [1]。2023年に日本の4学会合同でフッ化物配合歯磨剤の推奨が更新されました。現行の目安は以下です [2]。
| 時期 | 対応 |
|---|---|
| 歯が生える前 | 濡れたガーゼで口の中を拭く |
| 最初の歯(6か月頃) | 柔らかい歯ブラシで磨く |
| 6か月〜5歳 | 1,000ppm F配合歯磨剤を米粒大(1〜2mm) [2] |
| 6歳以上 | 1,500ppm F配合歯磨剤を1.5〜2cm [2](要確認:年齢で推奨濃度が切り替わる) |
| 仕上げ磨き |
|---|
| 8-9歳まで保護者が仕上げ磨きを |
| 寝る前の仕上げ磨きが最も重要 |
| 膝の上に頭を乗せて、仰向けで磨く |
ポイント
- 最初の歯が生えたら歯磨き開始
- 8-9歳まで仕上げ磨きを
- 寝る前の歯磨きが最も重要
Q2.「フッ素は安全ですか?」
——フッ素は体に悪くないですか?
適切な量のフッ化物は安全で、むし歯予防の効果が確認されています [2]。
| フッ素の効果 | 詳細 |
|---|---|
| 歯の強化 | エナメル質を丈夫にする |
| 再石灰化 | 初期虫歯を修復 |
| 細菌抑制 | 虫歯菌の活動を抑える |
| 予防効果 | 虫歯を30-50%減少 |
| フッ化物の使い方 |
|---|
| フッ化物配合歯磨剤(毎日) |
| 歯科でのフッ化物塗布(3〜6か月ごと) |
| フッ化物洗口(うがいができる4歳以降) |
ポイント
- フッ素は適切な量なら安全
- 虫歯予防に最も効果的
- 歯磨き粉と歯科塗布を併用
Q3.「虫歯になりやすい習慣は?」
——虫歯にならないためにはどうすればいいですか?
食習慣の整え方が、むし歯予防ではいちばん効きます [3]。
| 虫歯リスクの高い習慣 | 詳細 |
|---|---|
| 哺乳瓶で甘い飲み物 | 哺乳瓶う蝕(前歯が壊滅的に) |
| だらだら食べ | 口の中が長時間酸性に |
| ジュースの頻回摂取 | 砂糖と酸の二重攻撃 |
| 寝る前の授乳(歯磨き後) | 夜間は唾液が少ない |
| 虫歯予防の食習慣 |
|---|
| 食事とおやつの時間を決める |
| おやつは1日2回まで |
| 飲み物は水・お茶 |
| 歯磨きの後は飲食しない |
ポイント
- だらだら食べが最大のリスク
- ジュースを水・お茶に替える
- 食事の時間を決める
Q4.「乳歯の虫歯は治療すべき?」
——乳歯はどうせ抜けるから虫歯でも大丈夫ですか?
『どうせ抜けるから』は誤解です。乳歯のむし歯は必ず治療してください [4]。
| 乳歯の虫歯の影響 | 詳細 |
|---|---|
| 永久歯への影響 | 下にある永久歯の発育に影響 |
| 歯並びへの影響 | 早期に抜けると永久歯の位置がずれる |
| 感染源 | 痛みや腫れの原因 |
| 栄養への影響 | 噛めないと栄養摂取に影響 |
| 発音への影響 | 前歯の喪失で発音に影響 |
ポイント
- 乳歯の虫歯も必ず治療
- 永久歯の発育に影響
- 歯並びにも影響する
Q5.「歯科受診はいつから?」
——歯医者にはいつから行くべきですか?
1歳のお誕生日までに、一度は歯科を受診しておきましょう [5]。
| 歯科受診のスケジュール | 内容 |
|---|---|
| 1歳 | 初めての歯科受診 |
| 以降 | 3-6か月ごとの定期検診 |
| フッ素塗布 | 3-6か月ごと |
| 歯の外傷時の対応 |
|---|
| 乳歯が抜けた:再植しない。歯科受診 |
| 永久歯が抜けた:牛乳に入れてすぐに歯科受診 |
| 歯がぐらぐら:触らず歯科受診 |
ポイント
- 1歳までに初めての歯科受診
- 3-6か月ごとの定期検診
- 永久歯が抜けたら牛乳に入れて歯科へ
今号のまとめ
- 最初の歯が生えたら歯磨き開始
- 8-9歳まで仕上げ磨きを
- フッ素は安全で虫歯予防に効果的
- 乳歯の虫歯も必ず治療
- 1歳までに初めての歯科受診
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ご質問・ご感想
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