愛育病院 小児科おかもん先生 だより Vol.226
「背中が曲がっています」、側弯症
こんにちは。愛育病院小児科のおかもん先生です。
側弯症は背骨が横に曲がる病気で、思春期の女の子に多いです。学校健診でたまたま見つかることがほとんどで、軽ければ様子を見るだけ、進みそうなら装具、強く曲がったら手術、という段階で考えていきます。
Q1.「側弯症とは?」
——学校健診で背骨が曲がっていると言われました
側弯症は、背骨が左右に曲がる(弯曲する)疾患です [1]。
| 基本情報 | 詳細 |
|---|---|
| 頻度 | 学童の約2-3% |
| 好発年齢 | 10-15歳(思春期) |
| 男女比 | 治療が必要な弯曲では約7:1で女児に多い |
| 最多の種類 | 特発性側弯症(原因不明・約80%) |
| 側弯症の種類 |
|---|
| 特発性側弯症:原因不明。最も多い |
| 先天性側弯症:生まれつきの椎骨の異常 |
| 神経筋原性側弯症:神経・筋疾患に伴う |
ポイント
- 思春期の女児に多い
- 約80%が特発性(原因不明)
- 学校健診で発見されることが多い
Q2.「どうやって見つけますか?」
——家でもチェックできますか?
前屈テスト(アダムステスト)で簡単にチェックできます [2]。
| 前屈テスト |
|---|
| 1. 子どもに両手を合わせて前屈させる |
| 2. 背中を後ろから見る |
| 3. 背中の高さに左右差がないか確認 |
| 4. 左右差があれば側弯の可能性 |
| その他のチェックポイント |
|---|
| 肩の高さの左右差 |
| ウエストラインの非対称 |
| 肩甲骨の突出 |
| 体幹の傾き |
ポイント
- 前屈テストで簡単にチェック
- 背中の高さの左右差に注目
- 肩の高さ、ウエストラインも確認
Q3.「治療は必要ですか?」
——治療しないと悪化しますか?
弯曲の角度と成長の残りによって治療方針が異なります [3]。
| コブ角 | 治療方針 |
|---|---|
| 10-25度 | 経過観察(4-6か月ごと) |
| 25-40度 | 装具療法 |
| 40度以上 | 手術療法 |
| 装具療法の実際 |
|---|
| 1日18時間以上の装着が目安(長いほど効果あり) |
| 入浴・運動時は外せる |
| 骨の成長が止まるまで継続 |
| BrAIST試験では手術に至る割合を装具群で明確に減らした [3] |
ポイント
- 軽度は経過観察
- 25-40度は装具療法
- 40度以上は手術を検討
Q4.「運動はできますか?」
——スポーツは制限されますか?
側弯症があっても運動制限は基本的にありません [4]。
| 運動との関係 | 詳細 |
|---|---|
| 制限 | 基本的になし |
| 装具着用中 | 運動時は外してよい |
| 推奨 | 体幹筋力の強化が望ましい |
| 水泳 | 全身運動として推奨 |
「運動しても側弯症が悪くなるわけではありません。体幹を鍛えておいたほうが、日常も装具生活もラクになります。」
ポイント
- 運動制限は基本的になし
- 体幹筋力の強化が有益
- 水泳が推奨される
Q5.「経過観察で気をつけることは?」
——定期検査は必要ですか?
成長期は弯曲が進行しやすいため、定期的な経過観察が重要です [5]。
| 経過観察 | 内容 |
|---|---|
| 成長期 | 4-6か月ごとにレントゲン |
| 成長終了後 | 進行リスクは低下 |
| 注意時期 | 成長スパート(急に身長が伸びる時期) |
| 終了 | 骨成熟(成長板が閉じた後) |
「身長がぐっと伸びる時期(女の子は10〜12歳、男の子は12〜14歳あたり)は、カーブも一気に進みやすいです。ここは間隔をあけずに診ておきたい時期です。」
ポイント
- 成長期は定期的な経過観察
- 成長スパート時に進行しやすい
- 成長終了後は進行リスクが低下
今号のまとめ
- 側弯症は思春期の女児に多い(学童の2-3%)
- 前屈テストで家庭でもチェック可能
- 軽度は経過観察、25度以上は装具、40度以上は手術
- 運動制限は基本的になし
- 成長期の定期的な経過観察が重要
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ご質問・ご感想
「側弯症と言われました」「装具について教えてほしい」など、ご経験やご質問がございましたら、お気軽にお寄せください。
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