コンテンツへスキップ
MINATON
「小学生でもワクチンが必要?」、学童期に見直したい予防接種
Vol.459予防接種

「小学生でもワクチンが必要?」、学童期に見直したい予防接種

学童期は日本脳炎2期・HPV・海外渡航前接種など、見落としやすい予防接種が集中する時期

予防接種6〜12歳7
おかもん先生小児科専門医愛育病院 小児科

参考文献 7·Q&A 6問収録

プロフィール →

この記事のポイント

  • 日本脳炎2期は9歳以上13歳未満が定期接種の対象 [1]
  • HPVワクチンの定期接種は小学6年生〜高校1年生相当の女子が対象、男子は任意接種 [1][2]
  • 海外渡航前の追加ワクチン・母子手帳の空白チェックは学童期に整理するのが効率的 [3]

愛育病院 小児科おかもん先生 だより Vol.459

「小学生でもワクチンが必要?」、学童期に見直したい予防接種

こんにちは。愛育病院小児科のおかもん先生です。

「乳幼児期のワクチンは終わったと思っていたのですが、小学生でも打つものがあるのですか?」、学童期のご家族からよくいただく質問です。実は学童期は、日本脳炎2期・二種混合・HPVワクチンといった重要な定期接種が集中する時期です。さらに海外渡航や母子手帳の空白確認もこのタイミングで整理しておくと安心です。今回は、学童期に見直したい予防接種についてまとめます。

Q1.「小学生で定期接種に指定されているワクチンは何ですか?」

——乳幼児期に接種したワクチン以外に、小学生で必要なものがありますか?

予防接種法に基づく定期接種のうち、学童期に対象となるのは主に日本脳炎2期・二種混合(DT)・HPVワクチンです [1]

標準的接種時期

日本脳炎2期
9歳以上13歳未満(標準9〜10歳)
二種混合(DT) 2期
11歳以上13歳未満(標準11〜12歳)
HPVワクチン(女子)
小6〜高1相当(標準中1)

回数

日本脳炎2期
1回 [1]
二種混合(DT) 2期
1回 [1]
HPVワクチン(女子)
2〜3回 [1][2]
接種の見落としパターン
日本脳炎の1期(3歳接種)が途中で止まっている
母子手帳を開かないまま数年経過
引越しで勧奨ハガキを受け取り損ねる

ポイント

  • 学童期の定期接種は日本脳炎2期・DT・HPVが中心 [1]
  • 勧奨ハガキを見落としやすい年代
  • 母子手帳の確認が有効

Q2.「日本脳炎の2期接種とは何ですか?」

——日本脳炎は小さい頃に打った記憶があるのですが、また打つのですか?

日本脳炎ワクチンは1期(6ヶ月〜7歳6ヶ月未満に3回)と2期(9歳以上13歳未満に1回)の計4回が定期接種です [1]。2期は免疫を強化するための追加接種です。

項目内容
疾患日本脳炎ウイルス感染による脳炎、致死率20〜40% [4]
感染経路コガタアカイエカ(感染豚→蚊→ヒト) [4]
1期初回2回(6〜28日間隔)+追加1回(初回終了後おおむね1年後) [1]
2期9歳以上13歳未満に1回 [1]
特例措置2005〜2009年の接種差し控え期に未接種の方は20歳未満まで定期接種で受けられる [1]
確認すべきこと
1期の3回が完了しているか
2期の勧奨ハガキが届いているか
特例対象(1995年4月2日〜2007年4月1日生まれ)に該当するか [1]

ポイント

  • 日本脳炎は1期+2期の計4回が必要 [1]
  • 2期は9〜13歳未満が定期接種 [1]
  • 接種差し控え期世代は特例措置がある [1]

Q3.「二種混合(DT)ワクチンって何ですか?」

——四種混合は小さい頃に打ちました。二種混合は別ですか?

二種混合(DT)はジフテリア・破傷風の追加免疫を目的としたワクチンで、11歳以上13歳未満が定期接種の対象です [1]。四種混合の免疫が年数とともに低下するため、追加接種で維持します [5]

項目内容
対象疾患ジフテリア・破傷風 [1]
対象年齢11歳以上13歳未満(標準11〜12歳) [1]
回数1回 [1]
意義四種混合後の抗体価低下を補うブースター [5]
Tdap(百日咳成分を含む)について
日本の定期接種はDT(百日咳を含まない)
百日咳は学童期〜成人で再流行の報告あり [5]
任意接種でTdap(3種混合)を選ぶことも可能 [5]

ポイント

  • DTは11歳以上13歳未満が定期接種対象 [1]
  • 四種混合の追加免疫としての位置づけ
  • 百日咳対策のため任意でTdapを選ぶ選択肢もある [5]

Q4.「HPVワクチンは女の子だけですか?男の子は?」

——HPVワクチンは小6から対象と聞きました。男の子はどうですか?

HPVワクチンは小学6年生〜高校1年生相当の女子が定期接種です [1][2]。男子については4価・9価ワクチンが男性への適応拡大済みで、任意接種として推奨されます [2]

項目内容
定期接種対象(女子)小6〜高1相当 [1]
キャッチアップ接種1997年4月2日〜2008年4月1日生まれの女子(2025年3月31日まで延長措置) [1]
男子4価(2020年)・9価(2025年)が適応拡大、任意接種 [2]
ワクチン種類2価・4価・9価(定期接種で選択可) [1]
回数15歳未満は2回、15歳以上は3回(9価の場合) [2]
港区の独自助成
時期により男子への助成実施の自治体もあり、港区の最新情報は公式サイト要確認

ポイント

  • 女子は小6〜高1相当が定期接種 [1]
  • 男子は任意接種として推奨 [2]
  • 15歳未満なら2回接種で済む場合がある [2]

Q5.「海外渡航・留学の前に確認するワクチンは?」

——夏休みに海外に行く予定があります。追加で打つワクチンはありますか?

渡航先により必要なワクチンが異なります。厚生労働省検疫所FORTHやCDC Travelers' Healthで確認できます [3][6]

渡航先の例検討するワクチン
北米・欧州MMR(麻疹・風疹・ムンプス)の接種歴確認 [6]
東南アジアA型肝炎・腸チフス・日本脳炎 [3][6]
アフリカ・南米の一部黄熱(指定医療機関でのみ接種) [3]
発展途上国長期滞在狂犬病・B型肝炎追加 [3][6]
確認プロセス
母子手帳で接種歴を確認
渡航先・期間・活動内容を整理
トラベルクリニックまたは小児科で相談
出発の2〜3ヶ月前から準備開始 [3]

ポイント

  • 渡航先別の推奨ワクチンはFORTH・CDCで確認 [3][6]
  • 準備は出発2〜3ヶ月前から [3]
  • 母子手帳持参で接種歴を確認してもらう

Q6.「母子手帳の空白や接種漏れを見つけたらどうしますか?」

——確認したら、いくつか打ち忘れがありそうです。どうすればよいですか?

接種漏れが見つかった場合、定期接種の対象年齢内であれば公費で接種できます [1]。年齢を過ぎた場合は任意接種(自費)となることが多いですが、特例措置があるワクチンもあります [1]

状況対応
定期接種の対象年齢内公費で接種可能 [1]
対象年齢を過ぎた原則任意接種(自費)
日本脳炎(特例対象)20歳未満まで定期で可能 [1]
HPV(キャッチアップ対象)期限付き延長措置あり [1]
記録が不明かかりつけ医に相談、血清抗体価で判断することも
優先順位の考え方
1. 定期接種の未完了分
2. 周囲で流行があるもの(麻疹など)
3. 海外渡航予定に応じた追加
4. 任意接種(ムンプス・インフルエンザ等)

ポイント

  • 対象年齢内なら公費接種が可能 [1]
  • 日本脳炎・HPVは特例・キャッチアップ措置がある [1]
  • 記録不明時はかかりつけ医に相談

今号のまとめ

  • 学童期の定期接種は日本脳炎2期・DT・HPVが中心 [1]
  • 日本脳炎2期は9歳以上13歳未満が対象 [1]
  • HPVは女子が定期接種、男子は任意接種として推奨 [1][2]
  • 海外渡航前はFORTH・CDCで必要ワクチンを確認 [3][6]
  • 接種漏れは対象年齢内なら公費で追いつける [1]
  • 学童期は母子手帳を一度見直すのに良いタイミング

あわせて読みたい

  • Vol.145「HPVワクチンの最新情報」
  • Vol.290「港区の予防接種スケジュール」
  • Vol.132「インフルエンザワクチンガイド」

ご質問・ご感想

「日本脳炎2期の勧奨が来ない」「海外赴任前のワクチン相談」など、ご質問がございましたらお気軽にお寄せください。

愛育病院 小児科 おかもん先生

本メルマガの内容は一般的な医学情報の提供を目的としており、個別の診断・治療を行うものではありません。接種の可否は主治医にご相談ください。

この記事は役に立ちましたか?

※ この記事は一般的な医学情報の提供を目的としており、個別の診断・治療を行うものではありません。お子さんの症状が心配な場合は、かかりつけの小児科医にご相談ください。

関連記事