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「しゃっくりが止まらない!おならが多い!」、全部"正常"です
Vol.21健診

「しゃっくりが止まらない!おならが多い!」、全部"正常"です

赤ちゃんのしゃっくり、おなら、いきみについて

健診0〜6ヶ月7
おかもん先生小児科専門医愛育病院 小児科

参考文献 3·Q&A 5問収録

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この記事のポイント

  • しゃっくり・おなら・いきみ・鼻音はほとんどが正常な生理現象
  • 赤ちゃんの体は発達途中。未熟さゆえの"音や動き"なので見守ってOK
  • チアノーゼ・授乳困難・体重増加不良など明確なサインがなければ心配なし

愛育病院 小児科おかもん先生 だより Vol.21

「しゃっくりが止まらない!おならが多い!」、全部「正常」です

今号のポイント

  1. 2
    しゃっくり・おなら・いきみ・鼻音はほとんどが正常な生理現象
  2. 4
    赤ちゃんの体は発達途中。未熟さゆえの「音や動き」なので見守ってOK
  3. 6
    チアノーゼ・授乳困難・体重増加不良など明確なサインがなければ心配なし

こんにちは。愛育病院小児科のおかもん先生です。

1ヶ月健診の前後に多い相談が、「しゃっくりが止まらない」「おならがすごく多い」「すごくいきむ」「鼻がフガフガ言う」というもの。SNSで検索すると不安な情報もたくさん出てきますよね。

今回は、赤ちゃんの「気になる音や動き」が実はほとんど正常であることを、一つひとつ解説します。

Q1.「しゃっくりがすごく多いのですが、大丈夫ですか?」

——授乳のたびにしゃっくりが出て、30分くらい止まらないこともあります。苦しそうで……

新生児のしゃっくりは1日に数回〜十数回は普通です。実は赤ちゃんは、お腹の中にいるときからしゃっくりをしているんですよ。早ければ妊娠9週頃からエコーで確認でき、妊娠28週頃からはお母さん自身が感じることも多いです

——言われてみれば、妊娠中にピクッピクッとリズミカルな動きがあった気がします

それがまさにしゃっくりです。しゃっくりの原因は横隔膜の未成熟な収縮です。赤ちゃんの横隔膜はまだ発達途中なので、胃が膨らんだり温度が変化したりするだけで簡単にけいれんを起こします [1]

——止めてあげる方法はありますか?

基本的に何もしなくて大丈夫です。自然に止まります。ただし、以下の方法で早く止まることもあります

  • 少量の母乳やミルクを飲ませる
  • げっぷをさせる
  • 体位を変える(縦抱きにする)

やってはいけないこと:

  • 驚かせる(効果なし+危険)
  • 無理に水を飲ませる

ポイント

  • 新生児のしゃっくりは1日数回〜十数回は正常
  • 原因は横隔膜の未成熟。妊娠初期からお腹の中でしている
  • 自然に止まる。何もしなくてOK

Q2.「おならがすごく臭くて多いのですが、お腹が悪いのでしょうか?」

——大人顔負けの大きなおならを1日に何回もします。こんなに多くて大丈夫ですか?

赤ちゃんのおならが多いのは完全に正常です。1日15〜20回は普通の範囲ですよ

おならが多い理由:

  1. 2
    空気を飲み込む: 授乳時にどうしても空気を一緒に飲み込む(特に泣いた後の授乳)
  2. 4
    腸内細菌の発達: 腸内細菌叢が形成される過程でガスが産生される
  3. 6
    乳糖の分解: 母乳やミルクに含まれる乳糖が腸内で分解される際にガスが出る

——げっぷが出ないときは、おならで出てるってことですか?

その通りです。飲み込んだ空気は、げっぷかおならで必ず出ます。げっぷが苦手な赤ちゃんは、その分おならが多くなる傾向があります。授乳後のげっぷを習慣にすると、少し減るかもしれません

ポイント

  • おならは1日15〜20回は正常範囲
  • 原因は空気の飲み込み、腸内細菌の発達、乳糖の分解
  • げっぷが出にくい子はおならが多い。授乳後のげっぷを習慣に

Q3.「顔を真っ赤にしていきむのですが、便秘ですか?」

——うんちをするとき、顔を真っ赤にして10分くらいいきんでいます。便秘でしょうか?

これは「乳児排便困難症(infantile dyschezia)」と呼ばれる状態で、病気ではなく発達の途中の正常な現象です [2]

——病気じゃないんですか?

はい。大人はうんちをするとき、お腹に力を入れると同時に肛門の筋肉を緩めるという2つの動作を同時にできます。でも赤ちゃんはまだこの協調運動が上手にできないんです。お腹に力を入れるけど、肛門が緩まない。だから顔を真っ赤にしていきむのに、なかなか出ない、ということが起きます

見分けるポイント:

乳児排便困難症(正常)便秘(受診を)
顔を赤くしていきむが軟便が出る硬いコロコロ便が出る
出た後はケロリとしている出た後も不機嫌・腹部膨満
多くは数週間〜数ヶ月で自然に改善改善しない、悪化する
体重増加は順調体重増加不良

綿棒浣腸は不要です。むしろ癖になるリスクがあるので、赤ちゃんが自分で排便の感覚を覚えるのを待ちましょう。ただし、本当の便秘(硬い便、血が混じるなど)の場合は受診してください

ポイント

  • 顔を赤くしていきむのは乳児排便困難症で正常 [2]
  • 腹筋と肛門の協調運動が未熟なだけ
  • 多くは数週間〜数ヶ月で自然に改善。綿棒浣腸は基本的に不要

Q4.「鼻がフガフガ言います。風邪ですか?」

——寝ているときに「ブヒブヒ」「フガフガ」という音がします。鼻づまりでしょうか?

新生児の鼻腔は大人の約2〜3mmしかなく、非常に小さいんです。少しの鼻水や鼻粘膜の腫れだけで、すぐに「フガフガ」音がします。これは風邪ではなく、構造的な問題です

——くしゃみも1日に何回もするのですが……

赤ちゃんのくしゃみは防御反射として正常です。鼻に入ったホコリやミルクの匂いなど、些細な刺激でくしゃみが出ます。1日に5〜10回は普通です。風邪のくしゃみとの違いは、くしゃみ以外に発熱や哺乳低下がないかどうかです

鼻のフガフガ音への対応:

  • 入浴後に鼻吸い器で軽く吸う(やりすぎ注意)
  • 部屋の加湿(湿度50-60%)
  • 母乳を1-2滴鼻に垂らす(生理食塩水と同程度の浸透圧で鼻粘膜を潤す民間療法。科学的エビデンスは限定的ですが、害は少ないとされています)

ポイント

  • フガフガ音は鼻腔が小さいため。風邪ではないことがほとんど
  • くしゃみは1日5-10回は正常な防御反射
  • 発熱・哺乳低下がなければ心配なし

Q5.「どんなときに受診すべきですか?」

——正常と言われても、判断が難しいです。受診の目安を教えてください

以下のサインが1つでもあれば、早めに受診してください

受診が必要なサイン:

  1. 2
    チアノーゼ(酸素不足で唇や爪が紫色になること)
  2. 4
    授乳困難: 吸う力が弱い、途中で何度も休む
  3. 6
    体重増加不良: 1日25g未満の増加が続く(vol010参照)
  4. 8
    呼吸困難: 肩で息をしている、肋骨の下がへこむ(陥没呼吸=息を吸うときに肋骨の下がへこむこと)、呼吸数が1分間に60回以上
  5. 10
    発熱: 生後3ヶ月未満で38℃以上
  6. 12
    嘔吐: 噴水のように吐く、毎回吐く
  7. 14
    活気がない: ぐったりしている、いつもと様子が違う

上記のサインがなければ、しゃっくり・おなら・いきみ・鼻音は全て正常の範囲内です。赤ちゃんは「音が多い生き物」だと思ってください。1ヶ月健診で気になることがあれば、遠慮なくご相談くださいね

ポイント

  • チアノーゼ、授乳困難、体重増加不良、呼吸困難は受診のサイン
  • これらがなければ、しゃっくり・おなら・いきみ・鼻音は全て正常
  • 赤ちゃんは「音が多い生き物」。安心して見守ってOK

まとめ

正常範囲

しゃっくり
1日数回〜十数回
おなら
1日15-20回
いきみ
顔を赤くするが軟便(数週〜数ヶ月で改善)
鼻のフガフガ
常時あってもOK
くしゃみ
1日5-10回

受診のサイン

しゃっくり
30分以上続いてぐったり
おなら
腹部膨満+嘔吐
いきみ
硬い便+血便
鼻のフガフガ
チアノーゼ+授乳困難
くしゃみ
発熱+哺乳低下

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愛育病院 小児科 おかもん先生

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