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あせもが治らない……、あせもの予防・ケア・とびひとの見分け方
Vol.467皮膚

あせもが治らない……、あせもの予防・ケア・とびひとの見分け方

あせもの3タイプ・予防のコツ・ステロイド外用薬の使い方

皮膚0〜6ヶ月・6〜12ヶ月・1〜3歳17
おかもん先生小児科専門医愛育病院 小児科

参考文献 11·Q&A 5問収録

プロフィール →

この記事のポイント

  • 赤ちゃんは汗腺密度が大人の6〜7倍あるためあせもになりやすい
  • 予防の3原則は涼しく・清潔に・通気性よく。ベビーパウダーは汗管を詰まらせるので非推奨
  • 掻いてジュクジュクしたらとびひへの移行を疑い受診を

愛育病院 小児科おかもん だより Vol.467

「赤いブツブツはあせも?」、汗疹の見分け方と正しいケア

今号のポイント

  1. 2
    あせもは汗の出口(汗管)が詰まって起こる。赤ちゃんは汗腺密度が高く、あせもになりやすい
  2. 4
    予防の基本は「涼しく・清潔に・通気性よく」。できてしまったら悪化する前に対処
  3. 6
    掻きこわして「とびひ」になる前に受診。ステロイド外用薬は怖がらず正しく使う

こんにちは。愛育病院小児科のおかもん先生です。

「おむつの中やお腹に赤いブツブツがたくさんできていて……。あせもですか?」、暑くなるとお子さんの肌トラブルが増えますよね。特に赤ちゃんは全身にプツプツと汗疹(あせも)ができやすく、かゆがって機嫌が悪くなることも。

実は、赤ちゃんの汗腺の数は大人とほぼ同じ(約200〜400万個)です [1]。ところが体表面積は大人の1/6〜1/7しかない。単位面積あたりの汗腺密度は大人の数倍(資料により6〜10倍以上とされます)になります [1][2]。だから赤ちゃんは汗っかきで、あせもになりやすいのです。

今回は、あせもの種類、赤ちゃんに多い理由、予防法、ステロイドの使い方、とびひとの見分け方まで、詳しくお答えします。

Q1.「あせもって何ですか?どんな種類がありますか?」

——赤ちゃんのお腹や首に小さいブツブツがいっぱいできています。全部あせもですか?

あせも(汗疹: miliaria)は、汗を出す管(汗管: エクリン汗管)が詰まって、汗が皮膚の中にたまることで起こります [1][2]。詰まる場所の深さによって3つのタイプに分かれます

あせもの3タイプ:

タイプ正式名称詰まる深さ見た目かゆみ特徴
水晶様汗疹Miliaria crystallina角質層(最も浅い)[1]透明〜白い小さな水ぶくれ(1〜2mm)なし [1]新生児に多い。数日で自然に消える
紅色汗疹Miliaria rubra表皮内(中間)[1]赤い小さなブツブツ。周囲が赤いあり [1]最も多い「あせも」。いわゆる典型的なあせも
深在性汗疹Miliaria profunda真皮(最も深い)[1]肌色の丘疹。赤みは少ない少ない [1]高温環境で長期間過ごす場合。子どもではまれ

日常的に「あせも」と呼ばれているのは、主に紅色汗疹です [1][2]。赤い小さなブツブツができて、かゆみを伴います。一方、新生児の顔や体に見られる透明な水ぶくれは水晶様汗疹で、これは放置しても数日で消えます [1]

あせもができやすい場所:

部位理由
首のシワ [2]皮膚が重なり、蒸れやすい
肘の内側・膝の裏 [2]関節の曲がる部分は汗がたまりやすい
おむつの中(腰回り・お尻)[2]おむつで覆われて蒸れやすい
わきの下 [2]汗腺が多く、蒸れやすい
背中(特に寝ている赤ちゃん)[2]布団やベッドに接触して蒸れる
額・頭皮 [2]帽子やヘルメットで蒸れる

皮膚が重なってこすれる部分、衣類やおむつで覆われて蒸れる部分にできやすいです [2]。赤ちゃんは特に首のシワ、背中、おむつの中が要注意です

ポイント

  • あせもは汗管の詰まりが原因 [1]
  • 水晶様汗疹(透明、かゆみなし)と紅色汗疹(赤い、かゆい)の2タイプが多い [1]
  • できやすい場所: 首のシワ、背中、おむつの中、わきの下 [2]

Q2.「赤ちゃんにあせもが多いのはなぜですか?」

——上の子(小学生)はあまりできないのに、赤ちゃんばかりあせもになります。なぜですか?

赤ちゃんがあせもになりやすいのには、明確な理由があります [1][2]

赤ちゃんがあせもになりやすい5つの理由

理由詳細
① 汗腺密度が高い [1]汗腺の数は大人と同じ(約200〜400万個)だが、体表面積が小さいため密度が6〜7倍
② 汗管が未熟 [2]汗管の構造がまだ未発達で、詰まりやすい
③ 体温調節が未熟 [2]体温調節機能が発達途中。暑くても上手に体温を下げられず、大量に発汗
④ 自分で環境を変えられない [2]暑くても服を脱いだり、涼しい場所に移動できない
⑤ 皮膚が薄く、角質層が未熟 [1]角質層が薄いため、汗管が詰まりやすい

汗腺密度の比較:

対象体表面積汗腺数汗腺密度(個/cm2)
新生児約0.2m2約200〜400万個約1,000〜2,000 [1]
成人約1.6m2約200〜400万個約120〜250 [1]

簡単に言えば、大人と同じ数の汗腺が、大人の1/6〜1/7の面積にぎゅっと詰まっているのが赤ちゃんです [1]。しかも汗管がまだ未熟で詰まりやすい [2]。あせもになりやすいのは当然ですよね

着せすぎにも注意

意外と多いのが「着せすぎ」によるあせもです。特に、おじいちゃん・おばあちゃん世代は「赤ちゃんは寒がり」と思って厚着をさせがちですが、赤ちゃんは大人より体温が高く、代謝も活発です [2][3]。大人より1枚少ないくらいがちょうどよいのです [3]

季節服装の目安
肌着1枚、またはロンパース1枚。通気性のよい素材 [3]
春・秋肌着+薄手の上着。調節しやすい重ね着 [3]
肌着+カバーオール。室内では厚着しすぎない [3]
外出時帽子は蒸れに注意。通気性のある素材を選ぶ

ポイント

  • 赤ちゃんの汗腺密度は大人の6〜7倍 [1]
  • 汗管が未熟で詰まりやすく、体温調節も未発達 [2]
  • 着せすぎはあせもの大きな原因。大人より1枚少なめが目安 [3]

Q3.「あせもを予防するにはどうしたらいいですか?」

——毎年夏になるとあせもだらけになります。予防する方法を教えてください

あせもの予防は「涼しく・清潔に・通気性よく」の3原則です [2][3][4]。環境を整えるだけで、かなり防げます

あせも予防の3原則

原則1: 涼しく、室温と衣服の管理
対策詳細
室温を25〜27度に保つ [3]エアコンを適切に使う。冷やしすぎにも注意
湿度50〜60% [3]除湿機やエアコンのドライ機能を活用
大人マイナス1枚 [3]赤ちゃんの服は大人より薄着に
就寝時も涼しく背中に汗取りパッドを入れるか、エアコンを使用
原則2: 清潔に、汗をこまめに処理
対策詳細
シャワーで汗を流す [4]1日1〜2回。汗をかいたら追加でシャワー
お湯はぬるめ(38〜39度) [4]熱いお湯は皮膚を刺激する
石鹸は泡立てて優しく洗う [4]ゴシゴシこすらない。泡で包み込むように
濡れたガーゼで拭くシャワーの代わりに。首のシワ、わきの下を中心に
おむつをこまめに替える [4]蒸れを減らす。可能なら「おむつなしタイム」を
原則3: 通気性よく、衣類と素材の選び方
対策詳細
綿100%の衣類 [3][4]吸水性・通気性に優れる
ゆったりしたサイズ [4]きつい衣類は蒸れの原因
汗を吸ったらすぐ着替え [4]濡れた衣類を着続けるのはNG
背中に汗取りパッド寝ている間の背中の蒸れ対策に

あせもが出来るかどうかは環境次第です [2]。エアコンを適切に使い、こまめにシャワーを浴びせ、通気性のよい服を着せる。この3つだけで、あせもは劇的に減ります

ベビーパウダー(シッカロール)は使うべき?

昔はあせも予防にベビーパウダーが定番でしたが、現在は積極的には推奨されていません [4][5]

メリットデメリット
余分な水分を吸収する汗と混ざってダマになり、かえって汗管を塞ぐ [5]
サラサラ感がある吸入のリスク(気管に入る可能性)[5]
すでにあせもがある場合は悪化する可能性 [5]

ベビーパウダーは使わないよりましという程度です。それよりもシャワーで汗を流す→保湿剤を塗るというスキンケアの方がはるかに効果的です [4]。あせもがある場所にパウダーを塗ると悪化することがありますので、注意してください [5]

ポイント

  • 予防の3原則: 涼しく、清潔に、通気性よく [2][3][4]
  • 室温25〜27度、湿度50〜60%に管理 [3]
  • 汗をかいたらすぐシャワーまたは着替え [4]
  • ベビーパウダーは推奨されない。シャワー+保湿が基本 [4][5]

Q4.「あせもにステロイドを塗ってもいいですか?市販薬で大丈夫ですか?」

——あせもが赤くなってかゆがっています。ステロイドを塗るのはちょっと怖いのですが……

紅色汗疹(赤いあせも)で炎症が強い場合は、ステロイド外用薬が有効です [4][6]。怖がらずに使っていただきたいのですが、使い方にポイントがあります

あせもの治療ステップ

状態

ステップ1
軽度(少数の赤いブツブツ、軽いかゆみ)
ステップ2
中等度(広範囲の赤いブツブツ、かゆみあり)
ステップ3
重度(掻きこわし、びらん、膿がある)

治療

ステップ1
環境改善(涼しく、清潔に)のみ [4]
ステップ2
弱めのステロイド外用薬(ロコイド、キンダベートなど)[6]
ステップ3
受診して適切なステロイド+抗菌薬 [6]

軽いあせもは環境を整えるだけで数日で改善します [2]。しかし、赤みが強い、かゆみが強い、掻きこわしているなら、早めにステロイド外用薬を使う方が治りが早く、とびひなどの二次感染も防げます [4][6]

小児のあせもに使われるステロイド外用薬

ランク薬剤名使う部位期間の目安
弱い(Weak)プレドニゾロン軟膏顔・首・陰部 [6]3〜5日
やや弱い(Medium)ロコイド(ヒドロコルチゾン酪酸エステル)[6]顔・首・体幹5〜7日
やや弱い(Medium)キンダベート(クロベタゾン酪酸エステル)[6]体幹・四肢5〜7日
普通(Strong)リンデロンV(ベタメタゾン吉草酸エステル)[6]体幹・四肢(顔以外)医師の指示に従う

ステロイド外用薬の正しい使い方:

ポイント詳細
FTU(フィンガーティップユニット)で適量を [6]人差し指の先から第一関節まで=手のひら2枚分の面積
擦り込まずにのせるように [6]ゴシゴシ塗らない。やさしくのせる
症状が良くなったら減らす [6]急にやめずに、塗る頻度を減らしてからやめる
保湿剤と併用 [4][6]保湿剤を塗った上にステロイドを塗る(先に保湿→後にステロイド)

あせも程度なら、弱めのステロイドを5〜7日塗れば十分です [6]。「ステロイドは怖い」というイメージがあるかもしれませんが、短期間・適切な強さで使えば副作用はほとんどありません [6]。むしろ、ステロイドを怖がって使わずに掻きこわしてしまう方が、とびひ(伝染性膿痂疹)という細菌感染に進むリスクがあります [7]

市販薬の選び方

代表的な市販薬

ステロイド含有
ムヒS、ポリベビー、フルコートf
非ステロイド(抗ヒスタミン)
レスタミンクリーム
カラミンローション
カラミンローション
亜鉛華軟膏
亜鉛華軟膏

効果

ステロイド含有
赤み・かゆみに効果的 [6]
非ステロイド(抗ヒスタミン)
軽いかゆみに。効果はマイルド
カラミンローション
冷却・乾燥効果。軽度のあせもに
亜鉛華軟膏
乾燥・保護効果。じゅくじゅくした部分に

市販のステロイド外用薬は弱いランクのものが多いので、あせもには十分使えます [6]。ただし、3〜5日使っても改善しない場合は受診してください。あせもではなく、別の皮膚疾患の可能性もあります

ポイント

  • 軽いあせもは環境改善だけで治る [2]
  • 赤み・かゆみが強ければ弱めのステロイド外用薬を5〜7日 [4][6]
  • ステロイドを怖がって使わない→掻きこわし→とびひのリスク [7]
  • 3〜5日で改善しなければ受診 [6]

Q5.「あせもと「とびひ」はどう見分けるんですか?受診の目安は?」

——あせもだと思っていたのに、膿が出てきました。これはとびひですか?

あせもを掻きこわすと、とびひ(伝染性膿痂疹)に進行することがあります [7][8]。あせもとの見分け方と、受診すべきサインをお伝えします

あせもととびひの見分け方

あせも(紅色汗疹)

見た目
赤い小さなブツブツ [1]
広がり方
汗をかく場所に分布 [2]
通常なし
かゆみ
あり [1]
発熱
なし
原因菌
なし(非感染性)[1]
自然治癒
環境改善で改善 [2]

とびひ(伝染性膿痂疹)

見た目
水ぶくれ→破れてジュクジュク、または黄色いかさぶた [7]
広がり方
触った場所に次々と広がる(「飛び火」の由来)[7]
黄色い膿が出る [7]
かゆみ
強いかゆみ [7]
発熱
広範囲の場合、発熱あり [7]
原因菌
黄色ブドウ球菌、溶連菌 [7][8]
自然治癒
抗菌薬が必要 [7][8]

とびひの最大の特徴は「広がる」ことです [7]。掻いた手で触った場所に次々と水ぶくれやジュクジュクが広がります。あせもは広がりません

とびひの2つのタイプ

タイプ原因菌見た目特徴
水疱性膿痂疹 [7]黄色ブドウ球菌水ぶくれ→破れてびらん乳幼児に多い。夏に多い
痂皮性膿痂疹 [8]A群溶連菌黄色い厚いかさぶた全年齢。季節を問わない

すぐに受診すべきサイン

以下の場合は、あせもの自宅ケアではなく早めに受診してください [7][8]

  • 膿が出ている、黄色いかさぶたがある [7]
  • 水ぶくれが次々と広がっている [7]
  • 掻きこわしてジュクジュクしている
  • 赤みが広がっている、熱を持っている
  • 発熱がある [8]
  • 市販薬を3〜5日使っても改善しない
  • 目の周り、口の周りにできている(適切な薬が必要)
  • あせもかどうか分からない(別の皮膚疾患の可能性)

あせもと間違えやすい皮膚疾患

疾患見分け方
とびひ [7]膿・水ぶくれ・黄色いかさぶた。広がる
アトピー性皮膚炎 [9]2ヶ月以上続く湿疹。肘の内側・膝の裏に多い
乳児湿疹 [9]生後2週〜6ヶ月。顔・頭皮に多い
接触皮膚炎(かぶれ) [10]特定の物質が触れた場所にだけ出る
カンジダ皮膚炎おむつの中。鮮やかな赤み。シワの奥にまで出る [10]
汗疱(かんぽう)手のひら・足の裏の小さな水ぶくれ

「あせもだと思っていたけど実はアトピーだった」「とびひに進行していた」ということは珍しくありません [9]。治りが悪い、広がる、膿が出る場合は、自己判断せずに受診してくださいね

とびひになった場合の対応

対応詳細
受診して抗菌薬をもらう [7][8]外用抗菌薬(フシジン酸、ゲンタマイシンなど)±内服抗菌薬
患部をガーゼで覆う [7]他の場所・他の子にうつさないため
爪を短く切る [7]掻きこわし防止
タオル・衣類は共用しない [7]家族内感染の予防
登園・登校の目安 [8]患部をガーゼで覆い、浸出液が他の子に触れない状態であれば可

ポイント

  • あせもは広がらない。広がるならとびひの疑い [7]
  • 膿・黄色いかさぶた・水ぶくれの拡大は受診のサイン [7]
  • とびひは抗菌薬が必要 [7][8]
  • 治りが悪い場合はアトピーや他の皮膚疾患の可能性も [9]

まとめ

項目ポイント
あせもとは汗管の詰まりが原因。水晶様汗疹(透明)と紅色汗疹(赤い)がある [1]
赤ちゃんに多い理由汗腺密度が大人の6〜7倍、汗管が未熟、体温調節が未発達 [1][2]
予防の3原則涼しく(室温25〜27度)、清潔に(こまめにシャワー)、通気性よく [2][3][4]
治療軽度は環境改善のみ。中等度は弱めのステロイド5〜7日 [4][6]
とびひとの見分け膿・水ぶくれ・黄色いかさぶたがあり、広がるならとびひ→受診 [7]

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