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頭の形が気になる
Vol.422生活・育児

頭の形が気になる

乳児の頭の形の変形(斜頭・短頭)の原因と、ヘルメット治療を含む対応

生活・育児0〜6ヶ月・6〜12ヶ月7
おかもん先生小児科専門医愛育病院 小児科

参考文献 5·Q&A 5問収録

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この記事のポイント

  • 位置的頭蓋変形は仰向け寝で増え、多くは自然に改善
  • 頭位変換・タミータイムが第一選択
  • 生後4〜6か月まで改善しない重度例はヘルメット治療の選択肢

愛育病院 小児科おかもん先生 だより Vol.422

頭の形が気になる

こんにちは。愛育病院小児科のおかもん先生です。

「うちの子の頭、片方が平らです」「後ろが絶壁で」、乳児健診でよくご相談いただきます。1992年に仰向け寝が推奨されてからSIDS(乳幼児突然死症候群)は劇的に減りましたが、一方で「位置的頭蓋変形(positional plagiocephaly)」が増えました [1]。今回はこの頭の形についてお伝えします。

位置的頭蓋変形とは

赤ちゃんの頭蓋骨は柔らかく、同じ姿勢で寝続けると重みで変形します [1]。これは病気ではなく、寝姿勢の影響による形の偏りです。

主な変形の種類特徴
斜頭症(plagiocephaly)片方の後頭部が平ら、非対称
短頭症(brachycephaly)後頭部全体が平ら(絶壁)
長頭症(scaphocephaly)前後に長い(早産児に多い)

Mawji ら (2013) の研究では、生後2か月時点で約46.6%の乳児に何らかの位置的頭蓋変形が見られたと報告されています [1]。決して珍しいことではありません。

リスク因子内容
男児やや多い
第一子子宮内の姿勢
多胎子宮内スペース
胎位異常骨盤位など
筋性斜頸首を片方に向けやすい
仰向け寝圧力が同じ方向に
運動発達の遅れ寝返りが遅いと改善しない
💡多くは自然改善

Mawji らの追跡研究では、2歳までにほとんどが自然または介入により改善しました [1]。

ポイント

  • 位置的頭蓋変形は非常に多い [1]
  • 柔らかい頭蓋骨と寝姿勢の影響
  • 多くは自然改善

頭蓋骨縫合早期癒合症との区別

位置的頭蓋変形とは別に、「頭蓋骨縫合早期癒合症(craniosynostosis)」という疾患があります [2]。これは頭蓋骨の継ぎ目が早く閉じてしまう先天的な病気で、手術が必要な場合があります。

位置的変形

頻度
多い
頭の形
平行四辺形(斜頭症)
耳の位置
前後にずれる
前頭部
変形側が前に出る
頭囲
正常
縫合部を触る
平滑
治療
体位変換など

縫合早期癒合症

頻度
約2,000人に1人 [2]
頭の形
台形・三角形など独特の形
耳の位置
疾患により変化
前頭部
疾患により変化
頭囲
成長パターンに異常
縫合部を触る
硬い隆起あり
治療
手術

見分けが難しい場合は、小児科または形成外科での診察を [2]。エコーや3D CTで確定診断ができます。

⚠️疑わしい形は受診

単純な「絶壁」とは違う独特の形、頭囲が小さい・大きい場合は早めに受診を。

ポイント

  • 縫合早期癒合症は約2000人に1人 [2]
  • 独特の形と頭囲異常に注意
  • 迷ったら受診

自宅でできる対策は

AAPのガイドラインでは、位置的頭蓋変形の第一選択は体位変換とタミータイムです [3]。

体位変換の工夫内容
枕の向きを変える寝る時の向きを日替わり
お気に入りを反対側に見たいものを変形側と反対に
授乳の向きを変える左右交互に抱っこ
抱っこの向き意識的に向きを変える
ベッドの位置光や音源を反対側に
昼寝時の向き寝入り時に意識的に調整
タミータイム(うつぶせ遊び)内容
開始時期生後すぐ〜
頻度1日数回
1回の時間数分〜10分
注意起きている時、大人の監視下で
目的後頭部への圧力を減らし、首の筋力を育てる

タミータイムは頭の形だけでなく、首・肩・体幹の筋力発達にも重要です [3]。寝ている時はNG、起きている時のみ行います。

ポイント

  • 体位変換とタミータイムが第一選択 [3]
  • 日常の小さな工夫の積み重ね
  • タミータイムは起きている時のみ

ヘルメット治療は

重度の変形で生後4〜6か月以降も改善しない場合、ヘルメット治療(頭蓋矯正療法)の選択肢があります [4]。

ヘルメット治療の概要内容
開始時期生後4〜6か月
終了時期12〜18か月
装着時間1日23時間
期間3〜6か月
費用保険適用外(40〜50万円程度)
対象中等度〜重度の変形

ヘルメット治療は日本では保険適用外で、効果と費用のバランスを考える必要があります [4]。van Wijk ら (2014) のランダム化比較試験では、中等度の変形ではヘルメットと自然経過の2歳時の差は小さいと報告されています [4]。一方、重度の変形では有効という報告もあります [5]。

治療の検討ポイント内容
変形の重症度軽度〜中等度は自然経過を優先
年齢4〜6か月までに開始
継続できるか23時間装着のストレス
家族の希望エビデンスを理解した上で

ポイント

  • ヘルメット治療は重症例の選択肢 [4]
  • 中等度までは自然経過を優先
  • 保険適用外で費用と効果の見極め

いつまでに改善しますか

多くは6〜12か月以内に改善に向かいます [1]。寝返り・お座り・つかまり立ちと運動発達が進むにつれ、頭にかかる圧力が分散されるためです。

経過の目安内容
生後2〜3か月圧力変形のピーク
4〜6か月寝返りで圧が分散
6〜9か月お座りで頭に縦の力
12か月頃立位で大きく改善
2歳頃ほとんどが気にならない程度に

髪の毛が生えそろうと、気にならなくなることも多いです。

コンコン先生
🏥

おかもん先生より

長男の頭が少し斜頭でした。体位変換を意識しながら、「この子の個性」と受け入れて見守りました。今はもう髪の毛で全く分かりません。親としては心配でしたが、医師としては「ほとんどは改善する」と知っていたので気持ちが楽でした。知識は不安を消します。

ポイント

  • 運動発達とともに改善 [1]
  • 2歳頃にはほとんど気にならない
  • 髪の毛が生えると目立たない

今号のまとめ

  • 位置的頭蓋変形は仰向け寝で増え、多くは自然改善
  • 体位変換とタミータイムが第一選択
  • 頭蓋骨縫合早期癒合症は別物、独特の形は要受診
  • ヘルメット治療は生後4〜6か月の重症例が対象
  • 運動発達とともに2歳頃には目立たなくなる
  • 知識が不安を減らす

あわせて読みたい

  • Vol.421「成長曲線の読み方」
  • Vol.023「筋性斜頸」
  • Vol.009「SIDS予防」

ご質問・ご感想

「頭の形が気になる」「ヘルメットは必要?」などは外来でお気軽に。

愛育病院 小児科 おかもん先生

本メルマガの内容は一般的な医学情報の提供を目的としており、個別の診断・治療を行うものではありません。

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※ この記事は一般的な医学情報の提供を目的としており、個別の診断・治療を行うものではありません。お子さんの症状が心配な場合は、かかりつけの小児科医にご相談ください。

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