愛育病院 小児科おかもん先生 だより Vol.187
「おへそが出っ張っています」、臍ヘルニア(でべそ)
こんにちは。愛育病院小児科のおかもん先生です。
「おへそが飛び出してきました」と外来で相談を受けることが多い臍ヘルニア(でべそ)。新生児・乳児の5〜10%に見られます [1]。おへその下の筋膜が閉じきっておらず、泣いたりいきんだりすると腸が押し出されて膨らみます。ほとんどは自然に治りますが、大きなものや2歳を過ぎても残るものでは手術を考えます。
Q1.「臍ヘルニアとは?」
——おへそが大きく飛び出しています。大丈夫ですか?
臍ヘルニアは、へその緒が取れた後、筋膜が閉じきらずに腸が飛び出す状態です [1]。
| 基本情報 | 詳細 |
|---|---|
| 頻度 | 新生児の約5-10% |
| 原因 | 臍輪(おへその筋膜の穴)の閉鎖不全 |
| 自然治癒率 | 1歳までに約80%、2歳までに約90% |
| 嵌頓リスク | 非常にまれ |
ポイント
- 新生児の5-10%に見られる
- 多くは1-2歳までに自然に治る
- 嵌頓のリスクは非常に低い
Q2.「自然に治りますか?」
——放置していても大丈夫ですか?
ほとんどの場合、自然に治ります [2]。
| 臍輪の大きさ | 自然閉鎖の見通し |
|---|---|
| 1cm未満 | ほぼ確実に自然閉鎖 |
| 1-1.5cm | 多くが自然閉鎖 |
| 1.5cm以上 | 自然閉鎖の確率がやや下がる |
| 2cm以上 | 手術が必要になることが多い |
「テーピング療法(おへそを押さえてテープで固定する方法)が、自然閉鎖を早める効果があるという報告があります。かかりつけ小児科で指導を受けてください。」
ポイント
- 小さいものはほぼ確実に自然治癒
- 大きいもの(2cm以上)は手術になる可能性
- テーピング療法が有効な場合がある
Q3.「テーピング療法はどうやりますか?」
——テープで固定する方法があると聞きました
テーピング療法は、おへそを押し込んだ状態でテープで固定する方法です [3]。
| テーピング療法 | 詳細 |
|---|---|
| 開始時期 | 生後1か月頃から |
| 方法 | 綿球等でおへそを押し込み、防水テープで固定 |
| 交換頻度 | 3-5日ごと |
| 期間 | 2-3か月で効果判定 |
| 注意点 | 皮膚かぶれに注意。テープかぶれがあれば中止 |
「テーピング療法を行う場合は、必ずかかりつけ小児科で指導を受けてから始めてください。自己流で行うと皮膚トラブルの原因になります。」
ポイント
- おへそを押し込んでテープで固定
- かかりつけ医の指導のもとで行う
- 皮膚かぶれに注意
Q4.「手術はいつ考えますか?」
——どんな場合に手術が必要ですか?
以下の場合に手術を検討します [4]。
| 手術を検討する状況 | 理由 |
|---|---|
| 2歳を過ぎても閉じない | 自然閉鎖の可能性が低くなる |
| 臍輪が2cm以上 | 自然閉鎖しにくい |
| 余剰皮膚が大きい | 閉じてもおへその見た目が気になる場合 |
| 嵌頓(非常にまれ) | 緊急手術 |
| 手術の内容 | 詳細 |
|---|---|
| 手術時間 | 30分程度 |
| 入院 | 日帰り〜1泊 |
| 傷跡 | おへその中に隠れる |
| 再発 | 非常にまれ |
ポイント
- 2歳過ぎても閉じなければ手術を検討
- 手術は30分程度で日帰り可能
- 傷跡はおへその中に隠れる
Q5.「硬貨を貼る民間療法は効果がありますか?」
——おばあちゃんに5円玉を貼ると治ると言われました
硬貨を貼る方法は推奨されません [5]。
| 方法 | 問題点 |
|---|---|
| 硬貨(5円玉等)を貼る | 皮膚かぶれ、感染のリスク。衛生的でない |
| 絆創膏で押さえる | テープかぶれの原因。医療用でない |
| バンドで圧迫 | 圧迫が強すぎると血行障害 |
「民間療法ではなく、医療用の綿球と専用テープを使用した方法(テーピング療法)をかかりつけ医の指導のもとで行ってください。」
ポイント
- 硬貨を貼る民間療法は推奨されない
- 皮膚かぶれや感染のリスクがある
- 医療用テーピング療法を医師の指導で
今号のまとめ
- 臍ヘルニアは新生児の5-10%に見られる一般的な状態です
- 1-2歳までに約80-90%が自然治癒します
- テーピング療法が自然閉鎖を早める可能性があります
- 2歳過ぎても閉じない場合は手術を検討
- 硬貨を貼る民間療法は推奨されません
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ご質問・ご感想
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