コンテンツへスキップ
MINATON
「まばたきが多いのはチック?」、一過性チックを正しく知る
Vol.434発達

「まばたきが多いのはチック?」、一過性チックを正しく知る

まばたきチックは学童期の1-2割に見られ、多くは自然軽快します

発達5
おかもん先生小児科専門医愛育病院 小児科

参考文献 4·Q&A 5問収録

プロフィール →

この記事のポイント

  • 一過性チックは学童期の10-20%が経験する
  • 指摘・叱責はチックを悪化させる
  • 1年以上続く場合はトゥレット症候群を含めた評価を

愛育病院 小児科おかもん先生 だより Vol.434

「まばたきが多いのはチック?」、一過性チックを正しく知る

今号のポイント

  1. 2
    一過性チックは学童期の10-20%が経験する
  2. 4
    指摘・叱責はチックを悪化させる
  3. 6
    1年以上続く場合はトゥレット症候群を含めた評価を

こんにちは。愛育病院小児科のおかもん先生です。

「最近やたらまばたきが多いのですが、目の病気でしょうか」。眼科で異常なしと言われて小児科にいらっしゃるご家族、本当に多いです。結論から言うと、多くは一過性のチック(運動チック)で、4-10歳くらいに特に増えます [1]。命に関わるものではないので、まずは深呼吸して読んでください。

チックとは何ですか?

種類
単純運動チックまばたき、顔しかめ、肩すくめ
複雑運動チックジャンプ、触る
単純音声チック咳払い、鼻すすり
複雑音声チック言葉の反復

チックは「急に、繰り返し、不随意に」起こる運動または発声で、本人は抑えようとすれば一時的に止められます。ただしその後に反動で増える(リバウンド)のが特徴です [1]。

ポイント

  • 不随意・反復・突発的な運動/発声
  • 一時的に抑えられるが反動あり
  • まばたきは最多の症状

一過性か慢性かを分けるもの

診断の分類は、続いた期間で整理します(DSM-5) [2]。「一過性」は現行のDSM-5では「暫定的チック症」と呼ばれますが、中身は同じです。

診断期間
一過性(暫定的)チック症1年未満
慢性運動/音声チック症1年以上(運動または音声どちらか)
トゥレット症候群1年以上かつ運動・音声両方

一過性チックは学童期の10-20%が経験し、多くは数週間〜数か月で自然に消失します [1]。

ポイント

  • 1年未満は一過性 [2]
  • 10-20%の子が経験
  • 多くは自然軽快

家庭での対応

最も大事なのは「気にしない環境を作る」ことです。

有効な対応内容
指摘しないまばたきに触れない
安心環境叱責・緊張を減らす
睡眠確保疲労はチックを増やす
運動発散の機会を作る
学校連携先生にも指摘を控えてもらう
避けたい対応
「やめて」と指摘
ビデオで見せて意識させる
罰やからかい
💡疲労・興奮でも増える

チックは疲労・発熱・興奮・ストレスで増悪し、リラックス時に減ります。増減に一喜一憂せず、長い目で見てあげてください。

コンコン先生
🏥

おかもん先生より

外来では必ず「ご家族がチックの話をしない日を作りましょう」と伝えます。意識されるほど増える。私自身、小学生の頃に肩すくめのチックがあり、親が気にしない対応をしてくれたおかげで半年ほどで自然に消えました。「指摘しない」が最良の処方箋です。

ポイント

  • 指摘・叱責は厳禁
  • 睡眠と安心が最大の治療
  • 学校にも理解を求める

合併症と鑑別

合併しやすい頻度
ADHD20-50%
不安障害30%
強迫症(OCD)20-30%
学習障害20%

また、まばたきチックの鑑別として、眼瞼痙攣・結膜炎・屈折異常・ドライアイも考慮します [3]。眼科受診が必要なのはこちらを除外するためです。

ポイント

  • ADHD・不安・OCDの合併が多い [3]
  • 眼科的疾患の除外も重要
  • 総合的評価が必要

受診の目安と治療

受診の目安
1年以上続く小児科・小児神経
生活・学習に支障小児神経・児童精神
複数部位に広がる小児神経
強い不安・強迫合併児童精神
眼症状が強い眼科

治療が必要になった場合、第一選択は行動療法(CBIT: Comprehensive Behavioral Intervention for Tics)です [4]。薬物療法は限定的に使います。

ポイント

  • 1年以上・生活支障で受診
  • 第一選択は行動療法(CBIT) [4]
  • 薬物は補助的

まとめ

  • まばたきチックは学童期に多い一過性現象
  • 指摘・叱責は悪化因子
  • 睡眠・安心環境が最大の治療
  • 1年以上・生活支障で専門受診
  • 併存する不安・ADHDの評価も

あわせて読みたい

  • Vol.429「爪噛みの理由」
  • Vol.432「髪の毛を抜く」

愛育病院 小児科 おかもん先生

本メルマガの内容は一般的な医学情報の提供を目的としており、個別の診断・治療を行うものではありません。

この記事は役に立ちましたか?

※ この記事は一般的な医学情報の提供を目的としており、個別の診断・治療を行うものではありません。お子さんの症状が心配な場合は、かかりつけの小児科医にご相談ください。

関連記事