愛育病院 小児科おかもん先生 だより Vol.274
「自信のない子になってほしくない」、自己肯定感
こんにちは。愛育病院小児科のおかもん先生です。
日本の子どもの自己肯定感は国際比較で低いと言われています。自己肯定感は「自分には価値がある」と感じる力で、将来のメンタルヘルスや社会適応に大きく影響します。今回は、子どもの自己肯定感についてお伝えします。
Q1.「自己肯定感とは?」
——自己肯定感とはどういうものですか?
自己肯定感はありのままの自分を受け入れ、価値があると感じる力です [1]。
| 自己肯定感が高い子 | 自己肯定感が低い子 |
|---|---|
| 失敗してもチャレンジできる | 失敗を恐れて挑戦しない |
| 自分の意見を言える | 人の顔色をうかがう |
| 他者を尊重できる | いじめの被害者・加害者になりやすい |
| ストレスに強い | 不安・うつになりやすい |
| 日本の現状 |
|---|
| 自己肯定感の国際比較で最下位クラス |
| 「自分自身に満足している」と答える13〜29歳は約45%(米国は86.9%、内閣府平成30年度調査) |
ポイント
- 自己肯定感は「ありのままの自分でOK」と感じる力
- 日本の子どもは国際比較で低い
- 将来のメンタルヘルスに大きく影響
Q2.「自己肯定感を育てるには?」
——何をすれば自己肯定感が高まりますか?
日常の関わり方が最も影響します [2]。
| 育て方 | 内容 |
|---|---|
| 無条件の愛情 | 「あなたがいてくれるだけでうれしい」 |
| プロセスを褒める | 結果ではなく努力を褒める |
| 気持ちを受け止める | 「悲しかったね」と共感 |
| 選択させる | 小さな決定を自分でさせる |
| 失敗を許す | 失敗は学びのチャンスと伝える |
| 褒め方のコツ |
|---|
| ×「頭がいいね」(固定的な評価) |
| ○「よく頑張ったね」(努力の評価) |
| ○「工夫したんだね」(プロセスの評価) |
| ○「最後までやり遂げたね」(姿勢の評価) |
ポイント
- 結果ではなくプロセスを褒める
- 無条件の愛情を伝える
- 失敗を学びのチャンスに
Q3.「自己肯定感を下げる関わりは?」
——気をつけるべきことはありますか?
知らず知らずのうちに自己肯定感を下げていることがあります [3]。
| 避けるべき関わり | 影響 |
|---|---|
| 他の子との比較 | 「○○ちゃんはできるのに」 |
| 人格の否定 | 「ダメな子ね」 |
| 条件付きの愛情 | 「良い子にしたら好きよ」 |
| 過度なコントロール | 何でも親が決める |
| 過保護 | 失敗の機会を奪う |
「行動を注意しても、人格は否定しないことが大切です。『そうすると困るよ』と言い換えましょう。」
ポイント
- 比較しない
- 「ダメな子」ではなく「ダメな行動」
- 失敗する権利を守る
Q4.「自己効力感との違いは?」
——自己効力感とは違うのですか?
自己肯定感と自己効力感は異なるが両方大切です [4]。
| 概念 | 定義 |
|---|---|
| 自己肯定感 | ありのままの自分を受け入れる力 |
| 自己効力感 | 「自分にはできる」と信じる力 |
| 自己効力感の育て方 |
|---|
| 小さな成功体験を積ませる |
| 「できた!」を一緒に喜ぶ |
| スモールステップで目標設定 |
| 挑戦できる環境を整える |
ポイント
- 自己肯定感=ありのままでOK
- 自己効力感=自分にはできる
- 小さな成功体験が自信に
Q5.「年齢による自己肯定感の変化は?」
——年齢によって変わりますか?
思春期に自己肯定感は一時的に低下します [5]。
| 年齢 | 特徴 |
|---|---|
| 乳幼児期 | 親の愛情が自己肯定感の基盤 |
| 学童期 | 友人関係や学業の影響が大きくなる |
| 思春期 | 自己肯定感が最も低下しやすい時期 |
| 青年期 | 徐々に安定してくる |
「思春期の自己肯定感の低下は正常な発達ですが、極端な低下は注意が必要です。」
ポイント
- 思春期に一時的に低下するのは正常
- 乳幼児期の親の愛情が基盤
- 極端な低下は専門家に相談
今号のまとめ
- 自己肯定感はありのままの自分を受け入れる力
- プロセスを褒め、比較しない
- 失敗は学びのチャンスと伝える
- 行動を注意しても人格は否定しない
- 思春期に低下するのは正常
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