愛育病院 小児科おかもん先生 だより Vol.433
「歯ぎしりがひどいです」、小児の歯ぎしりは心配?
今号のポイント
- 2小児の歯ぎしりは15-40%に見られるありふれた現象
- 4乳歯列期の歯ぎしりは生理的で経過観察が基本
- 6睡眠時無呼吸・ストレスが背景のこともあり評価が必要
こんにちは。愛育病院小児科のおかもん先生です。
「夜中に歯ぎしりの音がすごくて、歯が削れないか心配です」。これもよくいただく相談です。結論から言うと、小児の歯ぎしり(小児ブラキシズム)は報告によって幅がありますが、およそ15-40%の子に見られるありふれた現象で、多くは成長とともに落ち着きます [1]。
歯ぎしりの種類と発症時期
| 種類 | 特徴 |
|---|---|
| 睡眠時ブラキシズム | 夜間、無意識に起こる |
| 覚醒時ブラキシズム | 日中の食いしばり |
| グラインディング | 歯をすり合わせる |
| クレンチング | 強く噛みしめる |
3歳前後の乳歯萌出完了時期に増加し、6-9歳の混合歯列期にピークを迎え、永久歯列完成とともに減少します [1]。
ポイント
- 乳歯列完成〜混合歯列期にピーク
- 多くは成長とともに軽快
- 睡眠時と覚醒時の2種類
なぜ起こるのか?
| 要因 | 説明 |
|---|---|
| 咬合の調整 | 萌出した歯を摩耗させ高さを合わせる |
| 睡眠リズム | ノンレム睡眠(ステージ1〜2)の微小覚醒時に起こりやすい |
| ストレス | 環境変化、不安 |
| 鼻閉・睡眠時無呼吸 | 気道を確保するための下顎運動 |
| 胃食道逆流 | 酸刺激で顎が動く |
特に近年注目されているのが小児睡眠時無呼吸症候群(OSA)との関連です。歯ぎしりがある子の一部は、扁桃肥大などによる気道狭窄が原因とされています [2]。
歯ぎしりに加え、いびき・口呼吸・無呼吸・日中の眠気がある場合は耳鼻科で扁桃・アデノイドの評価を。
ポイント
- 萌出調整が主要因の一つ
- OSAが隠れていることも [2]
- ストレス・胃酸逆流も関与
心配な症状・合併症
| 合併症 | 内容 |
|---|---|
| 歯の摩耗 | 乳歯列では自然置換で心配少ない |
| 顎関節痛 | 朝の顎のだるさ |
| 頭痛 | 側頭筋の緊張性 |
| 睡眠の質低下 | 本人・家族の不眠 |
| 知覚過敏 | 永久歯列期に出やすい |
学童後期以降、永久歯列で明らかな摩耗・知覚過敏・顎関節症状があればナイトガードなどを検討します。
ポイント
- 乳歯列期は経過観察でよい
- 永久歯列期の摩耗は介入対象
- 頭痛・顎痛は医師相談
家庭での対応
| 対応 | 内容 |
|---|---|
| 安心できる入眠環境 | 暗く静かな寝室 |
| 入眠儀式 | 絵本・スキンシップ |
| 就寝前の刺激を減らす | スマホ・テレビを控える |
| 鼻閉のケア | 鼻うがい・保湿 |
| 水分補給 | 脱水予防 |
| ストレス確認 | 日々の話を聞く |

おかもん先生より
外来で「歯ぎしりがひどいんです」と相談されたとき、私はまず「いびきもありますか?」と必ず確認します。実は睡眠時無呼吸が隠れていて、扁桃切除で歯ぎしりが消えたお子さんも少なからずいます。「歯の問題」と思われがちですが、全身の評価が大事なのです。
ポイント
- 入眠環境の調整が第一
- 鼻閉・いびきの確認を
- ストレスケアも忘れない
受診の目安
| 受診の目安 | 科 |
|---|---|
| いびき・無呼吸を伴う | 耳鼻科・小児科 |
| 歯の明らかな摩耗 | 小児歯科 |
| 朝の顎痛・頭痛 | 小児歯科・小児科 |
| 日中の眠気・集中力低下 | 小児科 |
| 家族が不眠 | 小児歯科 |
ポイント
- 無呼吸合併は耳鼻科へ
- 摩耗は小児歯科評価
- 睡眠の質低下は全身評価
まとめ
- 小児の歯ぎしりは一般的で多くは自然軽快
- 乳歯列期は経過観察で十分
- 睡眠時無呼吸・ストレスの評価を忘れない
- 永久歯列期の摩耗は小児歯科で介入検討
- 家族が眠れないほどなら相談を
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愛育病院 小児科 おかもん先生
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